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曖昧になりがちな「連絡」 ~「連絡には3つの目的がある」~

2023.06.05

仕事の仕方

「連絡」は、連絡するという行動が大切なのか、連絡した結果、相手がその内容を承諾している状態をつくることが大切なのかが曖昧になりやすい特性があります。改めて、連絡のあり方を考えてみます。

目次

  1. 連絡のポイント
    1. 「連絡」の目的を把握することが大切
    2. 連絡には3つの目的がある
    3. 連絡の目的①「指示・命令(依頼)」
    4. 連絡の目的②「ナレッジ共有」
    5. 連絡の目的③「方針の共有」
    6. 連絡は目的に応じて使い分けよう

連絡のポイント

1-1. 「連絡」の目的を把握することが大切

「連絡」という言葉を辞書で調べると、「関係の人に情報などを知らせること」とあります。
「連絡」という言葉の意味からすると、それほど難しく聞こえないですが(報連相研修の中でも取り扱いが少ないことも多いですが)、実は、「連絡」を効果的に使おうとすると、他の「報告」や「相談」に比べて、より一層、連絡の目的の把握が大切になります。

なぜなら、通常の「連絡」という言葉の感覚がある中で、「連絡しなさい」と言われると、「知らせる」という行動を指示されたのか、「伝わった状態を実現する」という行動を指示されたのかが分かりづらいのです。さらには内容によっては、相手方にも、「その情報が伝わったことによる行動の変化を求めているのか」、「その情報を活用するかどうかは相手の判断に委ねているのか」も分かりづらいのです。

その為、「連絡」を効果的に使うためにも、しっかりと目的を意識した使い方をする必要があるのです。

 

1-2. 連絡には3つの目的がある

では、連絡には、どういった目的が考えられるのでしょうか?
大きく以下の3つに分けてみました。

  1. 指示・命令(依頼)
  2. ナレッジ共有
  3. 方針の共有

 

1-3. 連絡の目的①「指示・命令(依頼)」

連絡の目的として、指示・命令(依頼)の内容を情報として伝えることがあります。具体的には、「会議の場所は●●会議室です」や、「集合場所は、●●駅の改札で9時に」などです。これらの表現には、暗に「●●会議室に集まる」や、「●●駅の改札に9時に集合する」という内容を相手側に求めているので、指示や命令(依頼)の特性があります。

その為、この場合の連絡は、必ず「伝わった状態にする」ことが大切ですので、「伝わった」事を確認するという内容まで含まれてきます。

この場合、「伝わった」事を確認というのは、コミュニケーションツールごとで言えば、メールであれば返信があったかどうか、Slackの場合は、コメントや「✔」などリアクションがついたかどうか、LINEは「既読」ではなくやはり返信があったかどうかが大切になります。もちろん、口頭でつたえて返答をもらっても、復唱してもらったり、メールなどで改めて連絡したりすることが必要なケースもあります。大切なのは、確実に伝わり相手の行動が、連絡内容通りに変わるようにすることという事です。

この「連絡」が非常に業務上重要になってくるものの一つに、社内の提出物管理があります。法律や税務上、会社にとって提出が義務づけられている物も多くございます。一方で、一人一人に連絡して提出を確認するまでの時間をかけられない事も多く、閲覧状況などを追いかけられる仕組み(DXの取り組みによる工夫など)が大切になります。

 

1-4. 連絡の目的②「ナレッジ共有」

ナレッジ共有の場合、連絡の意味合いは、有益な情報を相手方に知らせることが連絡の目的になります。この連絡では、相手方にその情報が伝わったことによる確実な行動変化までは求めないことが多いです。その為、指示・命令(依頼)の連絡ほど、確認が求められてきません。

一方で、単に情報を相手に知らせれば、達成できるかどうかというと少し考える必要があります。なぜなら、例えば、メールで伝えても一日に大量に連絡がくると、「そういえば、メールがきていましたね」という反応ならともかく、「そんなメールありましたっけ?」という反応も、よく見受けられます。

その為、この目的の連絡では、「必要な時に必要な情報を探せる状態にすること」が大切になります。

特に大切なのが、検索したときに見つけられることです。あるエンタープライズサーチの会社のコンサルタントと話をしたことがありますが、情報が検索できないナンバー1は、「検索ワードが思いつかないこと」だそうです。その為、ナレッジを目的とした連絡では、普段から検索できるような工夫(たとえば、共通言語をつくるなど)が非常に大切になります。

 

1-5. 連絡の目的③「方針の共有」

方針が、「連絡」でくることは少ないので、ここはあくまで連絡の目的である情報共有という文脈の中で、重要なものとして「方針」があると理解してください。この場合、「方針」とは、「理念」「ビジョン」「事業計画」「行動指針」などを指します。「方針」があることによって、社員は、組織の進む方向が分かり、自ら判断して行動できるようになります。

「方針」が伝われば、組織の方向性と社員の方向性が合致し、同じ方向を向いて仕事を進める事が出来るようになり、非常に大切です。ただし、この「方針」は、浸透にすごい時間がかかります。情報共有のコストが発生するのです。組織によって「方針」の伝達には、様々な工夫や時間などのコストをかけているところも多く、「方針」の伝達は大切だが、伝わるには多くのコストを必要とするものとして捉えておくと良いでしょう。

 

1-6. 連絡は目的に応じて使い分けよう

上記のように、連絡は「目的」によって、情報の知らせ方も大きく異なってきます。情報共有のあり方自体を考える上で、連絡のあり方を考えてみて下さい。