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1on1を活用して打たれ強い社員を作る ~限られた時間の中で効果的にモチベーション管理を行う~

2023.07.05

仕事の仕方

今、1on1を行っている会社は非常に多くなっています。ここでは、その1on1を効果的に実施する3つのポイントを紹介します。

目次

  1. 1 on 1
    1. 時間が制限される中での、モチベーション管理の難しさ
    2. 1on1の効果を高める3つの視点
    3. 3つの感覚を高めることで様々な効果が期待できる
    4. 3つの感覚を見いだしたSOC(sense of coherence:首尾一貫感覚)

1 on 1

1-1. 時間が制限される中での、モチベーション管理の難しさ

社員のモチベーションを高めることは非常に大切です。マネージャーの仕事において、社員のモチベーション管理は、重要なテーマになります。しかし、働き方改革もあり時間が限られ、また、以前のように仕事が終わってからの飲みの場を持つことも難しくなり、モチベーション管理は、なかなか難しくなっています。

管理職研修で社員のモチベーション管理をテーマにすると、むしろ、マネージャーから「社員のモチベーションを高める重要性は分りました。しかし、最近は自身のモチベーションを維持するのが大変で・・・」という声を聞くことも増えています。

一方で、メンター制度のように、直接の上司ではなく先輩が話をするという制度を構築するケースもありますが、対象の社員と話をする中で、業務調整が必要なテーマになるなど、業務に関係が強い内容も多く、効果が限定的になっています。

そこでより短時間で、モチベーション管理をする手法として、1on1が注目され、最近は書籍でも紹介されるようになりました。

 

1-2. 1on1の効果を高める3つの視点

1on1とは、上司と部下で行う定期的な1対1のミーティングです。 評価や管理のための人事面談とは異なり、部下の成長をサポートするための時間として位置づけられています。通常30分~60分で実施されます。

実施方法は書籍や他のサイトを見て貰えればと思いますので、ここでは、実施する上でのポイントを紹介します。

実施する側として、部下の3つの感覚を高めることを意識してみて下さい。

  1. やるぞ感(meaningfulness)
  2. わかる感(comprehensibility)
  3. できる感(manageability)

という3つの感覚です。抽象的で分りづらい部分があるかもしれませんので、例を挙げてみます。

たとえば、「やるぞ感」は、部下が重視している内容や実現したいことと、目の前の仕事が関係していることを確認することで高められます。

「わかる感」は、現在会社やプロジェクトが置かれた状況、そこにおける部下の位置づけなどを説明することで、「できる感」は、目の前のスケジュールやタスクを進めていく上で必要なアドバイスや、知見をもった人を紹介することなどで高められます。

 

1-3. 3つの感覚を高めることで様々な効果が期待できる

実際、ある会社でこれらの3つの視点でアンケートをとったところ、この3つの視点が高い方が、その後の離職率が低かったのです。また、そういった取り組みやコミュニケーションを重視しているマネージャーのもとでは、部下もこの3つの感覚が高い特徴がありました。

1on1の30分~1時間といった短い時間の中で、部下のこの3つの感覚をどう引き上げていくかが大切なのです。

この観点をもって継続的に1on1を実施していくことで、部下のモチベーションを高め、多少の壁が生じても主体的に乗り越えていけることが期待できます。

 

1-4. 3つの感覚を見い出したSOC(sense of coherence:首尾一貫感覚)

先ほど紹介した3つの感覚は、実はイスラエルの学者が研究した内容です。

どんな研究の内容だったかというと、ドイツの強制収容所に入った方の、その後の追跡調査によるものです。
強制収容所に入られた方は、やはり7割の方が何かしらの後遺症を抱えていました。その学者は、後遺症がある方ではなく、後遺症がでなかった3割の方に着目し、その方々はどういった特徴があるのかを研究しました。

そこで、行き着いたのが上述の3つの感覚です。後遺症がなかった人の特徴として3つの感覚が高かったというのです。

非常に面白い視点だったので、ビジネスの場面でも通じるのではと複数の会社でアンケート調査を実施してみたところ、仕事の成果や離職率と関係がある結果がありました。

皆様の感覚にも合致する3つの視点だと思いますので是非参考にしてみて下さい。