経営戦略における評価制度の位置づけ
評価制度は、経営において、以下の2つの役割があります。
- 理念やビジョンの実現、戦略を後押しするもの
- 中長期を見据えた人材育成につながるもの
評価制度の2つの役割をしっかりと発揮していく為には、理念やビジョンの実現や戦略の推進のために、会社として何を社員に期待しているのかをしっかりと明示し、一貫性があるものにしていく必要があります。
また、採用、配置、評価、育成といった各人事施策間においても、一貫性がある制度設計が大切になります。
注意点としては、評価制度は、非常に細かい構築が必要なので、策定している間に全体感を見失いがちになるという点です。全体を意識した一貫性を、常に意識していかないと、制度を作ること自体が目的となり、作った制度をどう生かしていくのかなどの視点が抜けてしまうことがあります。
また、最近は経営戦略が短期化している為、評価制度や人事施策のスピードと、外部環境、経営戦略の変化スピードが合致しないことが多いことも、一貫性を損なう要因なので注意が必要です。今後の経営においては、人材が活躍していける環境作りが大切になるため、中長期の視点にたって、目指していく人材像を明確にし、人材育成につながる制度構築が必要です。
中堅・中小企業の評価制度のポイント
中堅・中小企業の評価制度を構築していく上で、
以下の3つがポイントになります。
01 組織の成長・変革に応じた役割を実現する評価制度
企業が置かれた環境は、得意先が成長することで自社が継続的に成長していた段階から、得意先の成長がとまり、今後の成長のためには新たな変革が必要になる段階にあるということが多くなっています。
その環境変化の中で、社内の組織体制は、以前からいた社員が部長や課長という役職についているものの、その部長や課長が何を果たすべきなのか、そもそもその人が何故その役職についているのかが明確になっていないことが多くなっています。
たとえば、優れた営業が、そのまま部長に昇進してしまった場合、部下が育成できるのか、組織の改善を進められるのか、新しい仕組み作りや部門間連携ができるのかなどといった、組織の成長に応じた役割を果たせていないことは多々あります。
既存業務の延長線上にない(担当の時には必要性は低い)が、その役職であれば果たすべき役割を明確に示すことが、評価制度に求められてきます。
注意点は、その役職に対しての社内の知見があるかどうかです。
たとえば、優れた人材が若い時に独立して、自分の会社を創業した場合、大きな組織の部長や課長を経験することなく、社長になることになります。
この場合、社長ですので、成果をだす上で必要なことは分かるのですが、それを組織に落とし込んだ時に、どこまでが部長で、どこまでが課長の役割なのか、その役割を果たす難易度はどれ位のものなのかということが分からないことがあります。
結果として、課長に部長レベルの業務を期待したり、部長に対して正しい役割を期待・育成できなかったりすることで、組織や人材をうまく成長させることができなくなります。
組織編成の土台となるような役職に応じた役割を明確にするために、社内に知見があるのかどうか、無い場合はその知見をどう獲得するのかを考えることが大切です。
02 社員が継続的に働ける評価制度
若い人材が入ってこない、定着していかないということは、事業を存続・発展させていく上で、大きな問題です。その為、社員が継続的にこの会社で働きたいと感じられる制度設計が求められます。
会社の方向性と社員個々人の方向性を合致していく上では、キャリアパスが非常に重要な位置づけになります。そのキャリアパスと評価制度をつなげるものが職務基準書です。職務基準書を見たときに、社員が自身のキャリアをイメージしていくことができることが大切です。
注意点としては、企業の成長を前提としない場合、管理職のポストが限られるということです。その為、果たしている役割と、支払っている給与のバランスに気をつけて制度を構築する必要があります。大手企業の中にも、このバランスが崩れ、50代以上に対して早期退職をうながしているケースが度々ニュースになります。
03 業務成果につながる評価制度
評価制度が成果を発揮する上では、社員の取り組みや成長が、会社の業績と連動したものであることが大切です。
連動することによって、日々の管理職のマネジメントと評価制度が一致し、社員は何をすれば自分の給与があがるのかを把握し、目の前の業務に取り組むことができるようになります。
踏まえるポイントとしては、管理職がマネジメントする上で、評価制度の項目が活用しやすい武器になっているかという点です。
働き方改革や、ITシステムなど、管理職を取り巻く環境は、厳しくなっており、管理職に負担をかける制度ではなく、管理職が成果を実現していく、マネジメントしていく上で、後押しをしてくれる評価制度であることが大切です。
人事評価制度構築の流れ
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STEP 1グランドデザイン
経営理念やvision、経営戦略、組織戦略を踏まえて、必要となる組織や人材像を明確にします。
この際に、今回の評価制度を通じて、戦略のどの部分を後押ししていきたいのか、どんな人材を採用・育成していきたいのかを明確にします。
また、シミュレーションを通じて、労働市場と給与制度のバランスと、事業計画全体における分配状況を踏まえながら、大枠の賃金水準を確認します。
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STEP 2評価制度構築
グランドデザインで設計した内容をもとに、評価制度を構築します。
この際に、現場の管理職が今回の評価制度を使って、メンバーのやる気を引き出し、会社の方向性と個人の方向性を合致させていけるイメージを持てるようにしていきます。
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STEP 3導入・運用
設計した制度を評価者がしっかりと理解し、また、現場の社員の行動の変革につなげていく為の、教育研修を行います。また、必要に応じて、評価基準の検討会や、評価運営のサポートを行うことで、運営が定着できるようフォローします。
AKIコンサルティングが選ばれる理由
01 戦略から実行までの一貫した成果創出ができる
評価制度は、経営戦略と日々の仕事を連動させることが大切です。AKIコンサルティングは、企業の経営戦略の策定から、売上向上のコンサルティング、業務プロセス構築コンサルティングなど、幅広く支援を行っています。戦略や現場の情報をもとに、評価制度を構築することができます。
02 業務プロセス構築・改善のプロフェッショナル
評価制度は、社員のどの行動を評価するかが大切になります。その為、成果に直結するより中核となる業務を捉えて評価項目や基準にしていく必要があります。業務プロセスへの深い理解が評価制度構築のポイントになります。AKIコンサルティングには、集客、営業、設計、監督、製造、エンジニア、店長、SEなど、様々な業務プロセスを構築し改善してきたプロフェッショナルが所属しています。
03 制度運営のサポートもできる
評価制度を実際に運営しようとすると、正しく目標を設定したり、評価項目の評価レベルを評価者間で合致させたりするなどが必要になります。AKIコンサルティングでは、策定で終わるのではなく、その後の定着に向けた精度運営のサポートも行います。
アウトプット(人事評価制度構築コンサルティング)
グランドデザイン策定支援
- グランドデザイン及び解説書
- 簡易シミュレーション
- グランドデザイン
社内プレゼン資料
評価制度構築支援
- 評価制度運用マニュアル
- 評価基準書・評価ツール
- 目標管理制度・関連ツール
- メッセージ・キャリアパス
- 新賃金テーブル・
賞与算出テーブル
新人事制度運用支援
- 考課者研修
- 評価制度の運営フォロー
- 目標管理シートのチェックと
勉強会実施
支援形式と概算費用
支援形式 |
概要 |
期間 |
金額 |
人事評価制度構築
コンサルティング |
人事評価制度構築全体の構築支援
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4ヶ月〜6ヶ月 |
240万円〜 |
職能要件書の策定
コンサルティング |
業務成果につながる職能基準書のみの
作成支援
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2ヶ月〜3ヶ月 |
2ヶ月〜3ヶ月 |
その他 個別テーマ |
考課者研修
目標管理制度研修
新人事評価制度に基づく管理職研修
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応相談 |
応相談 |
※ 金額は、社員数や部門数によって変化します。
※ 費用は税別です。