2023.05.23
業務プロセス改善
組織の生産性向上につなげる上で、前段取りを実現する業務フローの業務の「開始条件」「終了条件」を決めることが効果的です。
後工程である生産や監督の生産性を上げる為には、前段取りが重要となります。この場合の前段取りとは、営業や設計・企画の段階でお客様としっかりと工期や仕様に関して、きちんと握っておくということです。もちろん、サービスの内容によっては期待値をコントロールする事も含まれます。
問題は、様々な会社の現場では、営業が「前工程の重要性」をしっかりと理解しておらず、むしろ、後工程の問題で納期や工期が遅れるという認識しか出来ていない事です。そもそも、前工程としてしっかりと出来ていないという事実を、前工程の当の本人が認識出来ていないというわけですから、改善は進まないですし、適切な報連相がなされないという問題につながります。
では、この重要である前段取りを業務フローのルールとして展開していく上で、どういった点を注意していったらよいのかを改めて考えてみます。
まず、業務フローを組む上では、ある程度の複数人が関連した業務をひとくくりにして、QCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)を明確にしていく事です。QCDだと少し分かりづらいので、一つの業務を進める上での「開始条件」と「終了条件」を決めるという形で考えてみます。
例えば、お客様との3者面談があるとします。
3者面談では、お客様とこれまで打合せしてきた内容の確認と、今後の工期の最終確認をするという打合せだとします。
この場合の3者面談の「終了条件」は、①お客様とこれまで打合せしてきた内容の確認できている状態と、②今後の工期の最終確認ができている状態です。
では、「開始条件」はどうなるでしょうか。打ち合わせしてきた内容の確認ですから、打合せが完了できていることが必要でしょう。また、打合せした内容で今後すすめられるか社内調整も必要だと思われます。加えて、ここまでの打合せや今後の手配を含めて、いつまでにお引き渡しできるかをしっかりと確認しておくことも必要でしょう。
このように各業務の「開始条件」と「終了条件」を明確にし、各業務がスタートする「開始条件」に向けて必要な期間がフロー上しっかりととれているかを確認していくことが大切です。
そして特に重要な内容である「契約でお客様と合意する内容」や、「お客様といつまでに仕様を確定するかの納期」、「お客様との最終仕様の確認」、「お客様にいつ工期が確定するか」などを決める面談などは、「開始条件」と「終了条件」をしっかりと整理して関連メンバーと確認しておくことが大切です。
前工程と後工程を整理することで、適切な前段取りを組む事が出来るようになります。前段取りが組めるようになると、一気に報連相の精度、特に連絡の精度があがります。業務の手待ちや手戻りがへり、生産性が格段と上がるようになります。また、お客様にもしっかりと納期を意識して仕様の打合せができるようになりますので、満足度も向上できます。
新しい受注にともなって、前段取りを組むには時間が限られて、ついつい先送りして、結果としてより時間がかかってしまったという事もありますので、フロントヘビーで、段取りをくめるようルール化するようにしましょう。