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会議は本当に必要なのか? ~ 定例会議の位置づけと活用法 ~

2023.06.05

仕事の仕方

定例会議という物事を着実に推進させるマネジメント上の強力なツールの特性を理解し、組織運営に役立てるポイントを解説します。

目次

  1. 定例会議実施上の注意点
    1. シンプルで強力な武器としての定例会議
    2. ムダに会議を増やすべきではない?
    3. 会議をむやみに増やさない為の「マネジメントサイクル」は設計難易度が高い
    4. 定例会議実施上の注意点

定例会議実施上の注意点

1-1. シンプルで強力な武器としての定例会議

シンプルで強力な武器としての定例会議を改めて確認してみましょう。

「定例会議」は、開催されている会社も多いと思いますので、報連相を扱っている身としてはちょっと取り上げたいテーマです。定例会議は、確実に進捗が確認でき、メンバーにもタスクの進捗を確認されるという場が設定されますので、非常に強力な効果が期待できます。何を確認するかなど細かい設定をしなくても、追々設定をしていけば良いので、ツールを設計したり、KPIの設定をしたりすることなく、設定できるのもよい点です。

使い勝手のいい手段が「定例会議」なのです。

 

1-2. ムダに会議を増やすべきではない?

これに対して、これ以上会議を増やすの?と感じている方は多いと思います。私も、会社に勤めている時は、会議よりも目の前の業務に集中したいと考えていましたので、正直好きではありませんでした。ある程度、会社の方向性が共有され、自立した社員が揃い、主体的に成果を意識して取り組むことができれば、会議はいらないでしょう。実際、書店でそのような題名の書籍をみることもあります。

問題なのは、そういった書籍で前提とされている、自立した社員がそろった、主体的な組織ばかりではないという事です。危機感を共有し、行動指針やクレド、共通言語などによって共通の価値観を作り、社員の自立性、自主性を高めるというのは、今日、明日に簡単にできることではないということです。となると、少なくとも当面は、社員個々人に頼るのではなく、ある程度、優れた業務水準をもち、判断が出来る人の意志決定やチェックが反映される状態を作らないといけないとなります。

 

1-3. 会議をむやみに増やさない為の「マネジメントサイクル」は設計難易度が高い

会議をムダに増やす事無く、効果的に管理したいという人にお勧めなのが、「マネジメントサイクルの設計」(※具体的な内容は●●の記事を参照)です。マネジメントサイクルは、会議で管理すべきか、管理帳票か、直接のコミュニケーションなのかを、状況に応じて、設定できます。会議で確認するのが適切かどうかの判断が入るので、むやみに会議を増やすという形にはなりません。

問題は、この「マネジメントサイクルの設計」は、結構レベルが高いということです。

実際、会議体系を設計するというご支援をさせて頂いたこともありますが、精度が高いものを設計しようとすると、適切な業務オペレーションの設定、KPIの設定、管理帳票の整備など、結構負荷がかかり、難易度が高くなります。きちんと設計を行い、会議をやらなくても進められる体制を整えようとするのは難しいです。

また、マネジメントサイクルの管理ツールであるSalesforceや、管理帳票への入力は、マネージャーを経験していない社員からすると、その重要性はなかなか分かりません。結果として、やらされ感による社員の抵抗が強くなります。管理ツールがあるから会議をやらずに大丈夫な体制にするというのは、社員の教育を含めて、一苦労です。

一定規模の会社になれば、それぞれの専門部署や上位階層から管理帳票の入力が現場に依頼され、現場が資料作りに追われ、これ以上、管理ツールを活用するのは限界があるという状態もあります。この調整を行い、適切なマネジメントサイクルにするというのは、難易度が高く、組織をこえた意思決定が必要になります。

 

1-4. 定例会議実施上の注意点

以上の状況を踏まえると、日々の業務に追われてできない、中長期案件や案件発掘の取り組み、商品開発などの通常の業務に対して付加的に発生するプロジェクトに関しては、精度の高い推進体制を整えることより、定例会議をやってしまうというのは、妥当な意思決定だと言えます。

1時間ほどで、前回決められた内容の確認、重要な意志決定事項を取り上げ意思決定し、次のタイミングまでのアクションを設定するという内容は、組織のレベルに関わらず、効果が期待できます。

定例会議を実施する上での注意点としては、以下の点が考えられます。

  • マネージャーが状況を把握したいための会議は避ける
  • 決定事項を明確に残す(やりっぱなしにしない)
  • 任せておいてもある程度進む業務を会議で確認することは避ける(管理帳票などで代替する)
  • メッセージの共有や、アイディア拡散やディスカッションは、目的を持って行う(時間がかかりすぎて負担が重くなる)

どうにもプロジェクトが進まない、タスクの実行状況が弱いという場合は、ある程度流れができるまで、組織として管理体制が確立するまでという期限付きで、「定例会議」を開催することも検討されるのはいかがでしょうか?