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仮説がある場合・ない場合  ~ 仮説によって精度の高い報連相を実現する ~

2023.12.23

仕事の仕方

自分の組織に仮説に基づく内容を報告する文化があるかどうか。これが組織のPDCAのスピードや精度に大きな差を発生させます。

目次

  1. 仮説がある場合と無い場合
    1. 「仮説」を活用した取り組みの重要性
    2. 仮説がある場合・ない場合の違い
    3. 仮説があるメリット①(成功要因を考えられる)
    4. 仮説があるメリット②(精度を高められる)
    5. 仮説があるメリット③(PDCAを早められる)

仮説

1-1. 「仮説」を活用した取り組みの重要性

「未達成でした、申し訳ありません。」
部下から報告がこのような未達成の報告だけで終わることは、管理職から見て決して良いものではありません。報告を受ける側としは、もっと自分で考えて動いて欲しいと感じてしまいます。

この点、通常行われるのは「目標管理」です。この場合の「目標管理」は、目標が未達成なのだから、責任をもってなんとかしろというマネジメントを行っていくことです。この「目標管理」、非常にシンプルなので、管理職側も細部まで確認せずとも、「できたのか、できなかったのか」で管理ができます。

しかしデメリットもいくつかあります。

  1. 厳しく追及されるのを避け、可能性を報告し、最後になって未達成の結果となる
  2. 無理をして達成することで、前倒しや、粗利などの面で問題が生じる

「目標管理」のデメリットも考慮しつつ、報告の精度を上げ、より良い成果を実現するための「仮説」を活用した取り組みをご紹介します。

 

1-2. 仮説がある場合・ない場合の違い

仮説がある場合、ない場合でどのような違いあるでしょうか。

仮説がない場合は、成果に向けて無駄な取り組みが増えたり、軌道修正が遅くなるなどの問題が生じます。一方で仮説がある場合は、成果に近い所に向けてアクションを進める事ができ、成果に向けてのスピードが速いという点があります。

何故、仮説があると成果に向けてまっすぐ進められるのか、もう少し詳細を見てみます。

 

1-3. 仮説があるメリット①(成功要因を考えられる)

成果に向けた仮説を立てる際に、「何故(どうすれば)、成果を実現できるのか」を考えることで、良い仮説を立てることができます。

当たり前かも知れませんが、冒頭の「未達でした」という報告に対して、報告を受けた側がイライラする一番の理由は、成果に向けた仮説が無かったことから来ています。

頑張って取り組んで、成果が出たら良かった、成果が出なかったら悪かっただけでは、何が良くて何が悪いのか、PDCAも回せません。ただ「未達でした」という報告は、その仮説を考えることが、報告する側の仕事であるという認識がないと理解しても良いでしょう。特に、強烈なトップダウンの組織では、指示待ちの傾向が強くなり、こういった傾向がでやすくなります。

改めて、そういった傾向が無いか確認頂くと良いでしょう。また「何故、成果を実現できるのか」だけではなく、「成果を妨げるリスク」についても検討し、事前に対策を検討することで、より成果の可能性を高めることができます。

 

1-4. 仮説があるメリット②(精度を高められる)

仮説を事前に立て、上司と仮説の内容に対して打合せをする事で、仮説を考えた担当者の見識だけではなく、上司の見識も仮説に反映されることで、仮説の精度を高めることが出来ます。

 

 

1-5. 仮説があるメリット③(PDCAを早められる)

仮説の内容について上司と打合せを行い、合意をします。「合意をした仮説」があることによって、その仮説通りであれば、報告をするとしても、想定通りという報告で済みます。

一方で「合意をした仮説」で想定した状況から、変化が生じたら報告が必要になります。報告のタイミングを「未達でした」という最終段階ではなく、「仮説とずれた」タイミングで行うことで、早期にPDCAを回せるようになります。

皆さんの周囲の優れた管理職を見て頂いても、リスクが発生した時に、そのリスクの状況報告と対策を早い段階で行なっていると思います。

優れた管理職とそうでない管理職の違いは、この「仮説思考」の精度にある可能性がありますので、改めて「仮説思考」が持てているかどうか、確認してみてはいかがでしょうか。

一方で、会社によっては、「仮説」によって業務の精度を高め、報告によるPDCAのスピードを高めるということが文化的にない場合もありますので、その場合は、意識的にそういった取り組みをしてみるということもお勧めします。