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ボトルネックを解消しよう ~状況に応じて流動的に役割分担の見直しをかける~

2023.05.23

業務プロセス改善

事業のボトルネックを明確にして、ボトルネックに対して対策を行っていくことは事業の持続的な成長において非常に大切です。

目次

  1. ボトルネックを解消しよう
    1. 事業のボトルネックを明確にしよう
    2. ボトルネックの3つの解決方法
    3. ボトルネックの解決方法①「役割分担をする」
    4. ボトルネックの解決方法②「ボトルネックである役割のメンバーを最大限活用する」
    5. ボトルネックの解決方法③「カスタマイズ要素を減らしたサービスとする」
    6. ボトルネックは事業の状況によって常に変化する

ボトルネックを解消しよう

1-1. 事業のボトルネックを明確にしよう

業務フローによって役割分担や業務を明確にしたら、各業務にかかる工数を算出しましょう。もちろん、業務フロー以外の仕事もしていますので、その比率も算出する必要がありますが、その方法はここでは割愛します。

業務工数が明確になると、営業の受注の増加に応じて、必要な各役割の工数を算出できます。そこまでできると、今後会社や組織がどれ位大きくなるかに応じて、必要な時間が算出でき、どの部分がボトルネック(制約条件)になるかが見えてきます。

例えば、住宅会社でいけば、年間50棟をこえてきたあたりで、設計士がボトルネックになります。ある程度、受注ができるようになったコンサルティングファームであれば、プロジェクトリーダーが不足し、会社の成長におけるボトルネックになります。

ボトルネックにどう対応していくのか。このレポートでは、ボトルネックの解決施策について考えてみます。

 

1-2. ボトルネックの3つの解決方法

ボトルネックの解決方法としては以下の方法が考えられます。

  1. 役割分担をする
  2. ボトルネックである役割のメンバーを最大限活用する
  3. カスタマイズ要素を減らしたサービスとする

 

1-3. ボトルネックの解決方法①「役割分担をする」

まずは、シンプルに役割分担をして対応するという事が考えられます。もちろん、ボトルネックになるような業務は他の人が代替する事ができない業務であることがほとんどです。とはいえ、大抵、そのボトルネックになっているメンバーの業務を調べていくと、他のメンバーでもやれる業務も担っている事が多いです。

何故、そうなってしまうかというと業務連携や経営資源の獲得は、難易度が高く、ある程度、判断ができる人がしっかりと状況を把握して交通整理しないと、ボトルネックになっている人も、他の人に自分の仕事を依頼するのは申し訳ないと、他の人でもできる業務を担っている事が多くなってしまうのです。そこで、まずは、しっかりと状況を確認することをおすすめします。

 

1-4. ボトルネックの解決方法②「ボトルネックである役割のメンバーを最大限活用する」

ボトルネックであるメンバーを最大限活用するとはどういう事でしょうか?これには、制約理論(TOC)において紹介されている、ドラム・バッファー・ロープがわかりやすいので、ご紹介しましょう。
上記のように、行列の中で一番遅い人をボトルネックとします。ボトルネックの人には、ドラムを鳴らさせて、行列の全体にボトルネックの人の進捗を知らせます。

一番先頭の人とボトルネックにはロープをつけて、ボトルネックの状況に応じて、先頭の人が動けるようにします。先頭の人は、特に、ボトルネックの状況が意識しづらいので、ドラム以外にもしっかりと伝える必要があります。ボトルネックの状況に応じて、枠を設けて、営業が顧客に納期を伝えられる状態にするなどがこれに該当します。

また、ボトルネックの人が手待ちになると機会損失に直結しますので、ボトルネックと前の人はバッファーを設けます。工場であれば余分の中間在庫をそこに持たせたり、建設業であれば、ボトルネックの人には、前工程の人が納期通りに引き渡したりすることが大切になります。

皆さんの業務の内容に応じて、この考え方を活用いただくと良いと思います。

 

1-5. ボトルネックの解決方法③「カスタマイズ要素を減らしたサービスとする」

3つ目にあげるのは、標準サービスを作ってしまうという事です。後工程に負担が少ないサービスを積極的に紹介する形を取ることによって、ボトルネックによる負担を避けるという形です。

実際は、カスタマイズ要素をなくすということですので、集客や営業に負担をかけるやり方です。ある程度の規模になり、集客や営業に自信がある会社や、今後会社を急成長させたいベンチャー企業には、こういった視点でサービスを初期段階で作り上げることが大切になります。

 

1-6. ボトルネックは事業の状況によって常に変化する

ボトルネックは事業の状況によって常に変化します。

事業立上げ時期は、認知度も低いですから、集客や営業がボトルネックになります。ある程度、集客構造が確立してくると、それまで集客や営業がボトルネックだった状況から、後工程の設計・企画、製造・監督にボトルネックが変わります。

消費税増税前に増えた需要に対応するために、後工程のボトルネックに焦点をあてて業務フローを組んだ会社が、消費税後は需要が急激にさがって集客や営業に焦点をあててなるべく早く納品できる業務フローに組み替えたという経験もあります。

前述しましたが、業務連携は、部門間の業務調整が発生する難易度の高い内容です。現場任せにせずにしかるべき責任者が旗振り役になって、ボトルネックの把握とそれを解決する対策の立案・実行をされると良いでしょう。