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最適な時間の使い方を意思決定する「週間ゴール設計書」

2025.06.04

仕事の仕方

週間ゴール設計書とは、1週間でやるべきゴールを明確にし、タスクに分解し、スケジューリングするシンプルなものです。1週間に1回、1時間~2時間ほどかけて行います。目的は、この2週間の時間の使い方を最適なものにするためで、時間投資戦略の実行プランみたいな位置づけです。筆者は15年以上継続している習慣であり、これを行わないと不安になります・・・というよりは、タスクが破綻してしまうリスクが高まります。

仕事の仕方・タスク管理の仕方につきましては、皆様ご自身の方法があるかと思いますので、あくまで参考にして頂ければと思います。

 

目次

  1. 最適な時間の使い方を意思決定する「週間ゴール設計書」
    1. ① 今後10日間で実施する成果につながるゴールを洗い出す
    2. ② ゴールを達成するためのタスクに分解する
    3. ③ 設定したタスクを、業務の優先順位に応じて、スケジュール化する
    4. ④ 週間ゴール設計書に基づき相談(報告)する
    5. 最後に

最適な時間の使い方を意思決定する「週間ゴール設計書」

1-1. ① 今後10日間で実施する成果につながるゴールを洗い出す

今後の10日間で実施するゴールを確認します。ゴールは上司・社内プロジェクト・クライアント・事業部・チーム・自己成長などの成果創出に必要なものです。大切なのは「タスク」レベルで行うのではなく、「ゴール」レベルで行うということです。また、指示を受けたものだけではなく、成果を創出するために自ら設定するものも考えます。

10日間では視野が狭いと感じるかも知れませんが、数年間先を意識する事業計画やキャリアプラン、数ヶ月先を意識するプロジェクトなどは、それぞれ別の事業計画書や業務設計書を作成しているかと思いますので、それらの達成に向け、この10日間で実現すべきゴールを抜き出してくるという形で考えて頂ければと思います。当然、長期のゴールが定まっていないと、目の前の動きは短期間を意識したものだけになりますので、重要だけど緊急性が低いものがなかなか進まないという問題がでてきます。

一方で、1週間ではなく10日としているのは、再来週のスケジュールを意識して来週動く必要があるためです。1週間だけでは足りないからです。逆に、2週間にしない理由は、1週間で状況が変わることが多く、細かいスケジュールを組んでも変更も多く発生してあまり意味がないためです。再来週の会議などのアジェンダ設定などは、来週のタスクとして組むと良いでしょう。

1-2. ② ゴールを達成するためのタスクに分解する

①で設定したゴールを達成するためのタスクに分解します。2時間以上かかるタスクは細かく分解するようにしましょう。
ゴールを達成するためには以下の内容などを考え、タスクに分解します。またその際に、そのタスクに取り組むためにおおよそ必要な時間を想定しておきます。30分単位くらいで想定すると良いでしょう。メールや電話などは、隙間時間で行えるように考えます。

  • 誰かに聞くべきもの
  • 調査しておくべきもの
  • 依頼しておくべきもの
  • 自ら実施するもの
  • 相談しておくべきもの

現時点でこのタスクが発生するか明確ではなく、ある会議を踏まえて発生しそうな場合は「バジェット(予算)」という形で、そのタスクに取り組む想定時間だけを押さえておくと良いでしょう。

 

1-3. ③ 設定したタスクを、業務の優先順位に応じて、スケジュール化する

②で設定したタスクを、重要性や緊急性(納期)に応じて、スケジュールに入れていきます。最優先すべきは、自分だけでなく、相手も関わるタスク場合のスケジュール組みです。本来はスケジュール調整が発生した時点で対応すべき内容ですが、週間ゴール設計書を作成する段階でまだ決まっていなければ、先に確定するようにします。

特に品質面で上司のチェックを受ける必要があるものは、確認頂くタイミングを早めに設定します。組織的に問題がなければ、15分~30分のスケジュールを依頼する(システムなどでカレンダーを連動している場合は上司のスケジュールに飛ばす)と良いでしょう。スケジュール依頼が難しい上司であれば、どのタイミングならその上司を捕まえやすいか、上司のスケジュールを確認しておきます。

次に優先すべきは、相手に依頼するタスクです。こちらも、発生段階で依頼することが理想ですが、改めてゴールを描き、タスクに落とし込んだ時点で依頼ができていないものがあれば、依頼するようにします。その上で、タスクを納期に向けてスケジュールに入れます。

まずは、今週中に明確な納期があるタスクをスケジューリングします。来週以降でも良いタスクは、残った時間に入れるようにします。この結果、タスクを実施する工数が、予定よりオーバーする場合は、上司に相談します。これも本来は、常に自分自身の工数状況を把握しておき、タスクが発生した時点で相談できるのが理想ですが、週間ゴール設計書の段階で分った場合は、なるべく早く相談するようにします。あまり望ましくないですが、クライアントに納期を相談するということも考えられます。

通常は企業成果に対して、タスクはいくらでも考えられますが、スケジュールすべきタスクがなく、時間が余る場合は、上司に相談して、時間を投下できるタスクをもらうなどのコミュニケーションを取ります。

 

1-4. ④ 週間ゴール設計書に基づき相談(報告)する

①~③までで設定した内容を上司に相談します。ある程度スケジュールの判断が許されている組織であれば、今週こういう形で動きますという形で報告すると良いでしょう。上司側で依頼したい内容があれば、そのタイミングで依頼がきて調整ができますし、場合によっては、より効果的な方法についてアドバイスを受ける事ができるかもしれません。

また、あなたが上司の立場であっても、週間ゴール設計書を部下に共有することをお勧めします。活動が見える化できることで部下も動きやすくなり、仕事の仕方として見本となることができます。

 

1-5. 最後に

週間ゴール設計書の組み立ては、毎週1時間~2時間と考えるのに時間がかかります。もったいないと感じるかもしれませんが、時間の使い方や自らの動きの優先順位付けを行い、最適な意思決定をしていくことはそれだけの価値があると思います。

また、こういった仕事の仕方ができている組織はリモート環境下でも、リアルの環境とそれほど違いなくチームの活動ができます。一緒にいるから上司に相談できる、部下をマネジメントできるレベルで仕事の仕方をしていると、リモート環境になった時に、とたんに生産性が落ちてしまいます。場合によっては、部下に依頼できずに中間管理職が抱えてしまっている可能性もあります。

このようなリモート環境下は仕事の仕方をバージョンアップするチャンスかもしれません。是非、ゴールを自ら設定・共有(相談)し、最適な時間の使い方ができるようにチャレンジしてみませんか。