2025.06.04
仕事の仕方
「問題」と「課題」の違い、説明できますか?曖昧なままでは行動も成果もブレ続けます。全ビジネスパーソン必携の思考術です。
ビジネスでは様々なフレームワークがありますが、その中でも、最優先で身につけて欲しい視点が「問題構造学」です。
さて皆さん、「問題」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?そして「問題」と「課題」の違いは何でしょうか?
この2つの違いが理解できているだけでも思考力が一気に高まりますので、是非、まだ少し整理がついていないと思う方は、このレポートに目を通して頂ければと思います。すでにご存知の方は、1-2からご覧頂ければと思います。
まず、問題構造学とは何かを改めて確認してみます。
上記の図にあるように「目標」と「現状」の間に生じたギャップが「問題」であり、その問題の中で解決できる、かつ、解決すべきものが「課題」です。
例えば、イベントで集客が少なかったとしましょう。その原因として雨が降っていたことが挙げられた場合、雨を止ませることはできないため、雨が降っていることは「問題」ですが、「課題」ではないと言うことになります。「雨が降っているから悪いんだ」と考えても状況は変わらないため、雨が降っている中でも集客に繋がることが「課題」になるということになります。
では、何故このフレームワークが最も重要なフレームワークの1つであるのかご説明します。
このフレームワークを知っておくと、以下の壁にぶつかることを避けることができます。
以下で説明してみます。
問題にだけ注目してしまうと、目の前の問題にモグラたたきのように向かってしまい、本来やるべきことに気づけない優先順位の問題にぶつかってしまいます。目の前の問題を解決するというアクションを設定する前に、本来はどういった状態を目指すべきなのか、その状態を実現する上で、目の前の問題を解決すれば達成できるのかという視点が必要になります。
すぐに行動に移す前に、その問題が本当に最優先で解決すべきなのかを見極めるようにしましょう。
「〇〇が問題なのでどうしようもないんです」と目の前の問題にだけ意識が向いてしまい、その場で思考停止してしまうことがあります。「問題」の中で、解決できないものをいくら考えても仕方がありません。私達が「解決できるもの」は何かをしっかりと考え取り組むべきです。
「人口が減っているから売上がさがってしまう。だから、売上が下がることは仕方がない」というのは、改めて見てもハードル思考でおかしいと感じますが、多くの現場でそのような思考停止をしてしまっていることがあります。
「十分な問題を生み出す?」と疑問を感じる方も多いかもしれません。
問題は「あるべき姿」と「現状」のギャップのため、「あるべき姿」を高く設定したり、鮮明にしたりすることで、新たな「問題」が生み出されてくるのです。つまり、不明確な「あるべき姿」や、低すぎる「あるべき姿」の中で出てきた問題だけを対処してしまうと、成果を実現する上で不十分という事になりかねません。
問題をどうにかする前に、適切で魅力的な「あるべき姿」を設定できているか、考えてみて下さい。
現状把握が重要なことは、「現場主義」という言葉があることからも明らかです。そのため「現場が重要だ」だけでは言葉足らずと感じています。ではどう捉えるべきなのでしょうか?
基本的には、現場を正しく理解することは「通常は」不可能だと思います。全てを把握することはできませんし、ましてや現場に行く以外にもやるべきタスクが多い中で、ついつい現場に行く優先順位を下げてしまいます。限られた時間の中で、成果につながる情報を、どう現場から引き出せるかがポイントなのです。
その点を踏まえると現場主義は、「全てを把握することはできない」としつつも、ITシステム・マネジメントの仕組み・人材育成で現場を踏まえた意思決定を組織が行えるようにするという総合的なアプローチだという事になります。そして、どこかでこれ以上は時間をかけなくても、十分に成果につなげられるという意思決定を行うことになります。過去にご支援した優れた会社で感じてきたことは、現場の社員1人1人が判断すべきレイヤーの問題を、経営TOPが正しく理解し、指導しているということです。
現場の把握力をそこまで高めることはなかなか難しく、避ける時間も限られている。そういった前提条件の中で、現場の状況をどう成果につなげられるかが大切だとつくづく感じています。