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「 知っている事 」と「 出来ている事 」の違い

2025.05.23

プロフェッショナルマインド

「それ、知ってるから」と思った瞬間、成長は止まります。知識を得るだけでなく、自身の変化や気づきを通じて、自らの成長を見つめ直すことができているか――。本コラムでは、日々の仕事や学びの中で“成長を振り返る”ための視点と、その習慣化のヒントをご紹介します。

目次

  1. “できている”つもりが成長を止める——自分を見つめ直す2つの視点
    1. 知識で満足せず、自分の“成長解釈力”を問う
    2. 何度も読む・何度も聞く——繰り返しが深める成長
    3. 時間を超えて自分を測る——3ヶ月前の自分と比べる
    4. 「自然成長」から「意図成長」へ——力がついた後の壁
    5. 壁にぶつかることは、成長のチャンスである
    6. 成長の習慣を持つ——問い続けるためのセルフチェック

知識で満足せず、自分の“成長解釈力”を問う

同じテーマの話を聞いたとき、「それはもう知っている」と聞き流してしまう。そんな瞬間が増えてきたとしたら、少し立ち止まって考えてみる必要があります。「知っていること」と、「できていること」は違います。そして、できているつもりと、「実際に成果につながっていること」も別の話です。重要なのは、学んだことが実践できているか、さらには成果を生んでいるか、自分自身に問い直せているかです。

何度も読む・何度も聞く——繰り返しが深める成長

あるコンサルティング会社の社長は「優れた書籍は毎年読み返す」と言います。同じ本であっても、読み返すたびに新しい気づきや発見がある。これは自分自身の視座や理解の深さが変化しているからです。過去に読んだ内容に新たな意味を見出せるとしたら、それは確かに「成長している証拠」です。学びは一度きりで終わらせるものではなく、何度も触れることで、自分の成長を照らす“鏡”となってくれます。

時間を超えて自分を測る——3ヶ月前の自分と比べる

人は日々忙しく過ごす中で、自分の成長を実感するのは簡単ではありません。だからこそ、3ヶ月前、半年前の自分と今を比べてみることが大切です。振り返ってみたとき、話し方や判断力、視点の深さに変化があるか。もしその変化を自覚できるなら、それは確実な成長です。逆に、変化がないとしたら、どこかで成長が停滞しているサインかもしれません。

「自然成長」から「意図成長」へ——力がついた後の壁

若いうちは、目の前の新しい仕事に挑戦するだけでも自然と成長していきます。しかし、ある程度経験を積むと、「できる範囲」で効率よく仕事を回せるようになります。それは一見成果が出ているようでいて、実は“成長が止まっている状態”でもあります。今までの自分のやり方やスキルだけで進められるようになると、新しい壁にぶつかる機会が減り、意図的に成長機会をつくらない限り、成長は緩やかになってしまいます。

壁にぶつかることは、成長のチャンスである

壁にぶつかると、人は苦しさを感じたり、自信を失ったりするものです。しかし、それは今の自分にはまだ越えられない課題に出会った証であり、そこにこそ成長の可能性があります。「今の自分では難しい」と思えるテーマにあえて挑むこと。理解できない言葉、うまくいかない課題、初めての役割。それらはすべて、成長するための“土壌”になります。

成長の習慣を持つ——問い続けるためのセルフチェック

成長を続けるためには、定期的に自分に問いを投げかけることが効果的です。次の2つの問いを、ぜひ習慣化してみてください。

  • 同じテーマに触れたとき、新しい気づきを得られているか?
  • 3ヶ月〜半年前の自分と比べて、成長を自覚できているか?

さらに、成長曲線が鈍化していないか、緩んでいないかという視点も加えることで、より長期的に成長を促す自分でいられるはずです。

おわりに

「学んだつもり」「わかったつもり」で止まっていないか。今の自分を客観的に振り返ることで、成長のきっかけは見えてきます。

成長は、他人との比較ではなく、“過去の自分”との比較によって確認するもの。忙しい日々の中でも、立ち止まって問いかける時間をつくることで、着実に、そして自律的に成長し続けられるはずです。