2023.12.22
プロフェッショナルマインド
意思決定のスピードを「経営の力」に
「この仕事いつまでできる?」「来週、いっぱい頂けますか?」「それでは駄目だ。今週中にたたき台を持ってきなさい」
ある会社の社長と現場のコミュニケーションの一場面です。
現場からするととんでもない内容だと感じるかも知れません。しかし、実はこのコミュニケーションの中に「経営の力」が生み出されているかも知れないのです。
例えば、皆さんの中でつい先に延ばしているものはないでしょうか?
1週間の旅行計画・リモートワーク環境の中、田舎に引っ越す・ホームページを刷新する・新商品を開発するなど・・・。ついつい今は忙しいから、いつかやれたらいいなという内容です。
意思決定のスピードを経営の力にするという事を疑似体験するために、上記の内容に対して、「今すぐ」できないかと考えてみましょう。今すぐというのは、内容によって異なるので、今週中や、今月中、来月中でもかまいません。
その時に、「出来ない理由」を探すのではなく、「やれるとしたら」で考えるのがポイントです。
そう考えると色々と工夫が出てきます。例えば、目の前の業務でやらなくてもいいものはないだろうか、自分が担当している業務で他の人でもできるものはないかなどです。この「工夫を考える」ということは、何となく、いつかやれるだろう、いつかやれたらいいなと思っていた時には、出てこなかった発想です。「今、やれないのか」ということには、多くのハードルを生み出し、それを乗り越える工夫を生み出すという凄い力があります。
実は、これが「経営の力」になるのです。
「えっ、こんなものが?」と考えたかも知れませんが、意思決定の精度、業務の優先順位の判断は、経営の力そのものです。もちろん、最終的には、優先順位の判断により、やらないという意思決定があってもいいです。「何となくやれたらいいな」を明確に「今はやらない」という意思決定に変えただけでも、大きな変化です。
「やれたらいいな」「いつかやりたいな」と考えているものを、「何故、今やれないのか」と考えみて下さい。その中には、いろんな業務調整や意思決定のもとに、業務の優先順位を高めて、変更することにつながるものも出てくるでしょう。
それが皆さんの経営の力になっていきます。